結論:利息を減らしたいなら期間短縮型
繰上げ返済には2つの型があります。
| 期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 変わらない | 減る |
| 完済の時期 | 早まる | 変わらない |
| 利息を減らす効果 | 大きい | 小さい |
| 向いている人 | 総額を減らしたい | 毎月の負担を軽くしたい |
総額を減らすことが目的なら、期間短縮型が有利です。 毎月の家計が苦しくて負担を下げたい場合だけ、返済額軽減型を選びます。
なぜ2倍以上も差がつくのか
利息は「残高 × 金利 × 期間」で決まります。繰上げ返済はどちらの型でも残高を同じだけ減らしますが、 期間短縮型は、それに加えて「利息を払う期間」そのものを削ります。
返済額軽減型は完済の時期が変わらないので、最後まで利息を払い続けます。 減るのは残高のぶんだけです。この差が、そのまま効果の差になります。
実際に計算してみる
次の条件で、どちらの型も計算します。
- ローン残高 2,500万円/残り25年/年1.0%/元利均等返済
- 12回目の返済のあとに 100万円 を繰上げ返済
| 期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
|---|---|---|
| 減らせる利息 | 264,547円 | 125,210円 |
| 毎月の返済額 | 94,218円のまま | 94,218円 → 90,311円 |
| 完済 | 1年1ヶ月 早まる | 変わらない |
同じ100万円を使っても、減らせる利息は2倍以上ちがいます。 一方で返済額軽減型は、毎月の支払いが3,907円軽くなります。 総額を取るか、毎月の余裕を取るかの選択だと考えてください。
早く実行するほど効果が大きい
繰上げ返済は、いつ実行するかで効果が大きく変わります。 同じ100万円・同じ期間短縮型で、実行する時期だけを変えて計算すると次のようになります。
| 実行する時期 | 減らせる利息 |
|---|---|
| 1年目(12回目) | 264,547円 |
| 5年目(60回目) | 215,254円 |
| 10年目(120回目) | 156,307円 |
| 20年目(240回目) | 46,824円 |
1年目と20年目では5倍以上の差です。返済が進むほど残高は減っていて、 繰上げ返済で消せる「将来の利息」も少なくなっているからです。
ただし、これは「急いで実行すべき」という意味ではありません。 手元の資金を使い切ってしまうほうが危険です。病気や失業に備えた生活費と、 教育費など使う予定が決まっているお金は、必ず残してください。 繰上げ返済したお金は、原則として引き出せません。
自分の条件で計算する
このサイトの繰上げ返済シミュレーターで、両方の型を切り替えて比べられます。 繰上げ返済は1回だけでなく、何度に分けても計算できます。
- いまのローン残高・残りの期間・金利を入力します
- 期間短縮型か返済額軽減型を選びます
- 「繰上げ返済を追加する」で、何回目のあとに、いくら返すかを入れます
- 手数料がかかる場合は入力すると、差し引いた正味の効果が出ます
実行する前に確認すること
- 住宅ローン控除を受けている期間は、手取りで損になることがあります。 繰上げ返済で年末残高が減ると、控除額も減るためです。 詳しくは繰上げ返済と住宅ローン控除をご覧ください
- 手数料と受付の単位を確認してください。ネット手続きなら無料の銀行が多い一方、 窓口だと数千円から数万円かかることがあります。「1万円以上から」など単位が決まっている場合もあります
- 金利が低いほど効果は小さくなります。年0.4%程度の変動金利だと、 同じ100万円でも減らせる利息は10万円を下回ります
- 団体信用生命保険は残高に対する保障です。繰上げ返済で残高が減ると、 万一のときに保険で消える金額も減ります
まとめ
- 総額を減らしたいなら期間短縮型。毎月を軽くしたいなら返済額軽減型
- 同じ100万円でも、減らせる利息は2倍以上ちがう
- 早く実行するほど効果が大きいが、手元資金を削ってまで急がない
- 住宅ローン控除の期間中は、先に控除への影響を確認する